資料2-3a. 排気風量の計算方法

排気風量 Q (m3/min) は、
Q (m3/min)=V (m/s)×W ( m/s)×H(m) ×60(s/min)
・ V :制御風速 (m/s) ・ W :有効作業幅 (m/s) ・H :作業開口高さ(m)
によって計算されますが、開口部のどこにおいても全く同じ風速を維持することは難しく、実際には開口部における風速には一定のばらつきが生じます。
(図2-3a.)にあるように、有機則や特化則では、制御風速は各測定点における最小値とされています。 つまり、開口部の各測定点のうち、最も低い風速値が有機則では0.4 m/s以上、特化則では0.5 m/s以上となるため、実際に必要な排気風量を算出するためには、一定の安全率 S を見ておく必要があります。
つまり、排気風量Q (m3/min) は、実際には以下の式で計算する必要があります。
Q (m3/min)=V (m/s)×W ( m/s)×H(m) ×60(s/min)×S(安全率)
安全率 S は、バッフル板等を有した適切に設計されたヒュームフードにおいては、一般的に 1.2~1.3 が使用されています。 安全率はヒュームフードの構造や形状に大きく依存します。単なる排気ボックスでは更に大きな数値を見込む必要があります。
すなわち、安全率 S の数値が小さいほど、開口部における風速のばらつきが小さく均一性があり、無駄な排気を必要としないということになります。
各メーカーが発行しているカタログに記載されている排気風量値には、この安全率があらかじめ見込まれています。

計算例:

制御風速 V=0.5 m/s
有効作業幅 W = 1.6 m 作業開口高さ H = 0.6 m 安全率 S = 1.25
の場合の排気風量は、
Q(m3/min)=0.5(m/s)×1.6(m/s)×0.6(m) ×60(s/min)×1.25 =36 (m3/min)