2-4b. DIN/EN 14175-3規格による評価方法

CEN(欧州規格化委員会)がDIN(ドイツ規格)を元に制定した欧州統一規格(EN規格)で、欧州のほとんどの国が履行しています。EN 14175-3 “Fume Cupboards Part 3:Type Test Methods ” 「ヒュームカップボード パート3 型式テスト方法」による評価方法で、「ヒュームカップボード(ヒュームフード)の性能と安全性の検証を適切にするための型式テスト方法を明確化する」ことを目的としています。テスト用のガス(トレーサーガス)にはSF6(六フッ化硫黄)10%とN2(窒素)90%の混合ガスを使用し、規定された内部および外部平面で漏洩濃度を測定することに加えて、外乱を発生させる板を稼動させて封じ込め強さ(ロバストネス)を確認することが特長です。 CEN:European Committee for Standardization DIN:Deutsches Institut fur Normung

規格の位置付け

ヒュームカップボード(ヒュームフード)の型式試験を目的に策定されおり、基本的にはテスト設備における型式ごとの評価方法について定めています。欧州ではこの規格をクリアしていない製品は販売できないことになっています。

テスト時の主な条件

1.トレーサガス濃度: 
  ・10%SF6、90%N2の混合ガスを使用発生量は外部測定平面試験で4.51ℓ/min
2.試験室の条件
  ・テスト境界における気流速度は0.1m/s 以下
  ・テスト室は23℃に保つ
3.テスト時のサッシ開口高さ
  ・開口高さ500mmで行う

評価項目(テスト内容)

主として以下の3つの試験によって総合的に封じ込め性能を評価します。

1.面風速測定

  • ・水平・垂直方向共に開口部から100mm外側のラインを設定し、そこから開口部に向かって400mm以下の均等なラインを引いて各交点において測定します。

2.トレーサガス試験

  • 以下の三種類のテストを行います。
    •  ①内部測定平面における試験
    •   ・定められた内部測定平面において1個の放出器と9個のサンプリングプローブで漏洩濃度を複数箇所で測定します
    •  ②外部測定平面における試験
    •   ・サッシ平面から50mm手前の外部平面において9個の放出器と多点サンプリングプローブで漏洩濃度を一括測定します
    •  ③ロバストネス試験
    •   ・外部測定平面において400mm手前に設置された400mm×1900mmのプレートを1m/sで3往復移動させて漏洩濃度を測定します

3.換気能力試験

  •  ・排気ダクト内のトレーサガス濃度を測定して換気率を算出します。


上記の他に圧力損失、サッシテスト、材質・構造テスト、照度テストなどがあります





ロバストネス試験実施例