4-1.局所排気装置周りの換気(排気+給気)設備と室内環境目標の対応(2)

4-1-2.研究者の快適性(研究生産性)関連

①不快な気流・強い気流発生の防止による実験操作への影響低減
◆換気扇・全熱交換器等からの、生に近い外気の直接導入禁止(空調機経由の間接導入が必要)
◆空調機吹出口等からの高温・低温・高湿度の高速気流が、直接実験エリア・人体周りへ吹き付けぬよう、設備のレイアウトには注意!
◆人周りの気流速度を0.5m/s以下に抑制!
◆外部補給気付タイプのヒュームフード原則使用禁止!

②実験室内での臭気防止
◆外気取入口と排気口(スクラバー排気等含む)間のショートサーキット防止(「十分な離隔距離」「下階からの外気取入+屋上からの高速排気」の原則)

4-1-3.実験機器レイアウトと避難動線

◆実験室最奥部に局所排気装置を、避難口付近に安全シャワー・保護メガネ棚・救急器具等を配置し、避難方向(バルコニー利用など二方向避難がより望ましい)と逆の片流れ室内気流を作る事が有効
◆実験台等と、局所排気装置など他の実験機器間の通路幅は最低1500以上あけ、作業エリアと通行エリアを分離する事が望ましい。
◆実験室と研究居室は隣接させ(一室化は不可)、ガラスパーティション等を介して継続実験を監視できる構造が望ましい。




4-1-4.維持管理の経済性

◆初期投資の削減:換気設備(排気設備+給気設備)の同時使用率(25%程度の実績値あり)を考慮すれば、実験室単位でドラフト複数台分の換気設備を集約する事も初期投資削減に有効
◆毎年の運用費削減:同様に、同時使用率に基づく換気設備の適切な集約化が行われれば、エネルギーコストなど運用費削減の可能性も十分に
◆メンテナンス費の削減:換気設備専門業者によるメンテナンスを、研究室単位の発注から棟単位等のグループ発注に替えれば、コスト削減に有効
◆LCC(ライフサイクルコスト)の削減:以上の対応により、LCCの大幅削減も可能に

4-1-5.省エネルギー・環境負荷削減

◆昼夜を問わず、「局所排気装置の非使用時」にはサッシを閉める事による、排気設備の連動自動停止と逆流防止ダンパー自動閉鎖が、省エネルギー・環境負荷削減には有効
◆但し、「薬品・試料の放置時」「連続実験中の離席時」等のケースは、「局所排気装置の使用時」として扱い、換気設備を稼動させる必要
◆ドラフトチャンバー/ヒュームフード等の局所排気設備に人感センサーを備え、警報・記録装置による離席時のサッシ閉め忘れ防止を図る教育的手法も、省エネルギー・環境負荷削減には有効