ヒュームフードは排気ダクトに接続され、排気ファンで室内の空気を吸引して屋外に排気されます。
一つの部屋に複数のヒュームフードが設置される場合は、排気ダクトを最終的に一本にまとめて排気ファン一台で排気を行う方法も取られます。
排気ファンの大きさやモータ容量は、必要な排気風量、ヒュームフード自体の圧力損失、ダクトの距離や曲がり方によって変わる排気ダクトの圧力損失(ダクト内の空気の速度やダクトの面積でも変化します)、その他ダクト途中にある機材の圧力損失などを計算して決められます。
排気系統に排ガス洗浄装置を組込む場合は、①室内に設置するケース
②屋外に設置するケース
の二通りのシステムがあります。
室内置きの排ガス洗浄装置には、ヒュームフード内部に組み込まれたタイプや横に置くユニットタイプなど幾つかの形状があります。
参照:
1-2.ヒュームフードのタイプ
5.実験排ガスの処理」
最も簡単なシステムは、①ヒュームフード、②風量調整用ダンパ、③排気ダクト、④排気ファン、⑤ベンチレータ(雨が入らないようになっている排出口)で構成されます。
(図1-3a.参照)
一つの部屋に複数のヒュームフードが設置される場合に排気系統を別々に設備すると、片側のみが運転中に停止してる側から空気が実験室に逆流することがあるため注意が必要です。
(図13-b.参照)
ヒュームフードは、適切に選定された排気ファンが正常に機能して初めて必要な排気風量が確保されます。
排気風量が適切でないと、ヒュームフードの前面サッシの開口部に必要な制御風速に影響を与えることになり、適切な封じ込め性能を維持できなくなります。
設備全体を一つのシステムとして認識しておくことが重要です。
排ガス洗浄装置を設置する場合は、排気の圧力損失が大きくなるため、排ガス洗浄装置がない場合に比べて、モータ容量の大きな排気ファンを選定する必要があります。
複数のヒュームフードが一つの排気系統に接続される場合は、屋外に処理風量の大きな排ガス処理装置を設置することが一般的です。